世界脳週間2006 東北大学医学部脳科学協議会(仙台市)
日 時 | 2006年6月30日(金)18:00~19:30 |
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場 所 | せんだいメディアテーク |
主 催 | 東北大学医学部脳科学協議会 大隅 典子 |
トークショータイトル | 「大隅典子×瀬名秀明 脳をつくる遺伝子レシピ!」 |
概要
1000億個のニューロンが精密なネットワークを形成している、私たちの脳。たった1個の受精卵から出発して、60兆個の細胞から成る体が生まれ、そして脳ができる仕組みは、長い進化の過程で備わってきたものですが、まさに驚異的というしかありません。このサイェンスカフェではトークショー形式で、どのようにして脳の細胞の元になる細胞(これを神経幹細胞と呼びます)がたくさん分裂して数を増やし、ニューロンやグリアの細胞へと変化する(これを分化と呼びます)のか、細胞や遺伝子の研究成果を踏まえながら紹介したいと思います。また、こういった脳の発達のしくみをもっと調べるためには、どんな実験機械があるといいのでしょうか。脳がつくられるしくみは、コンピュータや口ボットで再現できるでしょうか。未来の医療工学の夢も語ってみたいと思います。
プロフイール
瀬名秀明(作家、東北大学工学部機械系・特任教授)
瀬名特任教授は、東北大学大学院在籍中の1995年に『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞。また1998年には、脳についての小説『BRAIN VALLEY』で日本SF大賞を受賞しました。近年はロボット学や人工知能を紹介する一般科学書も多く発表しています。ロボットの心の問題を描いた最近の小説『デカルトの密室』(2005年)は、再び日本SF大賞の候補になりました。本年1月から、東北大学工学部機械系の特任教授として活動しています。
大隅典子
大隅教授は、脳の発生発達に関する研究に携わり、先駆的な成果をあげています。とくに、脳ができあがる際や、できあがった脳の中で、どのように未分化な神経幹細胞から分化した神経細胞が生まれるかについての研究を進めています。著書として『神経堤細胞』(共著、東京大学出版会、1997年)、人体発生学(分担、南山堂、2003年)、訳書として『エッセンシャル発生生物学』(羊土社、2002年)、『心を生みだす遺伝子』(岩波書店、2005年)などを執筆しています。