世界脳週間2004 東北大学医学部脳科学協議会 仙台第一高等学校

日 時 2004年3月15日(月)
会 場 仙台第一高等学校
主 催 東北大学医学部脳科学協議会
仙台第一高等学校(文部科学省 サイエンス・パートナーシップ事業)

開催趣旨

毎年春3月にアメリカ、ョーロッパ、日本など世界各地で「世界脳週間」が企画されています。これは脳のしくみや働きを広く理解してもらおうという目的で行われる行事ですが、仙台市では東北大学医学部の脳研究者が毎年講演会を開いています。
6年目の今年は、サイェンスパートナーシップとして文部科学省から指定を受けた仙台第一高等学校の皆さんに、特別講演会をすることとなりました。脳の科学と医学が今どこまで進んでいるか、将来にはどんな夢と期待があるかを説明します。
脳とはいったい何でしょうか。脳はどんな構造になっているのでしょうか。脳を細かく見てゆくと、そこにはどんな細胞があるのでしょうか。物を見たり聴いたり、身体を動かしたり、昔のことを思い出したりするときに、脳のどの部分に何が起こるのでしょうか。脳の中では、信号が飛び交っています。脳の信号とは何でしょうか。脳について考え始めると、疑問は次々と湧いてくるはずです。
世の中には脳が正常に働かなくなった人がたくさんいます。脳と直接つながっている脊髄や神経に異常が起こってしまう人も少なくありません。脳や神経の病気にはどんなものがあるでしょうか。病気の人にはどのような事が起きるでしょうか。病気だと気づくには、どんなことに気をつければよいでしようか。脳や神経の病気は治るのでしょうか。治療はどこまで進んでいて、将来どこまで期待できるのでしょうか。このような疑問も頭に浮かべながら、講演を聴いてください。
脳の中に分け入っていくと、1000億以上の神経細胞が複雑な回路を形成し、規則正しくとても美しい立体構造をなしていることが見えてきます。どの人の脳も基本的には同じつくりになっていて、どんなハイテクの機械も及ばない高性能を発揮しています。こんな脳が、一体どのようにして造られるのでしょうか。脳はそもそも1個の卵子から発生し、発達してきたことを考えると、脳の創られ方や育ち方は、まさに不思議というほかはありません。その驚異的な造成の妙技には、どのようなトリックが隠されているのでしょうか。そのしくみが最近少しずつわかってきました。この講演会の最後に、そのような脳の発生と発達の様子を説明します。
以上の3つの講演によって、脳についての理解を深め、さらには生命について、人について、じっくりと考えて下さい。皆さんが学習する理科の延長上には科学が広がっています。科学の素晴らしい世界にふれ、その豊かな可能性に思いを馳せてください。そして高校生の皆さんの多くが日本の脳科学と医学を支え、応援してくれるような人になって欲しいと思います。

脳の科学と医学

13:30 ~ 13:40 開会の挨拶
菅井 茂(宮城県仙台第一高等学校校長)/丹治 順(東北大学医学部生体システム生理学教授)
13:40 ~ 14:10 脳の科学とは
丹治 順(東北大学医学部生体システム生理学教授)
14:10 ~ 14:40 神経内科医からのメッセージ
糸山 泰人(東北大学医学部神経内科学教授)
14:40 ~ 15:10 脳ができあがるまで
大隈 典子(東北大学医学部創生応用医学研究センター形態形成解析分野教授)
15:10 ~ 15:25 質問コーナー
15:25 ~ 15:30 閉会の挨拶
糸山 泰人(東北大学医学部神経内科学教授)